Poetry
俯いてばかりのあの頃 見上げた蒼空に見つけた白い月 寄せては返すさざ波に 深い愛を感じたよ 其処に辿り着く為の術なら 幾つも幾つも試したよ 君のシルエットが 美しく見えたあの日から 遠く 聞こえない筈の声が 私には 聞こえたんだ "大丈夫" 其れを正解とすれば何が得られる? "現実より救済を 救済より真実を" そんな戯言が何になる? 刻むビートに煮えたぎる体液 生死すらも両手に握り締め 素...

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眠れなくて仰いだ空 君がくれた指輪を眺めて 確かに在った温もりを忘れないように 大切に紡いでゆく 反逆者達が昨日を求めて 明日を焼き尽くそうとする 共に酒宴に語り合った夜明けが何故か 忠実に焦燥をかたどってゆく 朝靄を突っ切って走った 終わらない二人きりのドライブ 出逢った夏がもうすぐ来るね あどけない顔で笑うから嘘がつけないよ 捨てられなかった お揃いのマグカップ 使う事なんて一度も無かっ...

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そんなに清廉なものではないよと 君が下した判断は誰の為のものだった? その空白の糧として凍てついた心の雫が 静かに光り出す 創世の樹が乾いた葉で奏でる音を 指折り数えた 怖かった そっと指が触れるだけで それを終わりと思わないと 自分を保って居られなかった 君が語る空の色がとても不自然で 君が其れを知らないのだと分かった そんな嘘をつかなくても ずっと傍に居るつもりだったのに・・・ 僕が作...

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パチンと弾けた シャボン玉 そんな世界の始まり 君の髪をすいた指の感触 今でも残っているよ 狂い咲く曼珠沙華を肴に テキーラを一気に飲み干した 「消えたい」と号泣する君を ただ抱き締める事しか出来なくて 崩れ落ちる肩に手をかけて ただ謝る事しか出来なくて「ごめんね」 四弦を弾く指の在処を探して 終わらない悪夢を彷徨い続ける バニラの様に気だるい声を 私の腰にまとわりつかせて眠る ぬる...

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例えば何かに心溶けるまでに 奪われる瞬間が其れだとして 弱ってゆく君の握力に 愛おしさを覚えても 朧気に霞みゆく視界に 冷静さは彼方へ遠ざかってしまうよ 赤くて甘い君の 滴り落ちる血を掬ってみても 注ぎ込む口が何処にも見当たらないんだ 例えば月夜に咲かせた愛欲が 穢れなき切望と歌う事実だとして 息も絶え絶えな君の 弦を奏でる指が途絶えた時 焼け爛れた夕紅に 堕ちゆく定めが知られずの理を破っ...

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時々君は不安になる 白い壁を指でなぞっては 呼吸の在り方を探す 君は此処に居て良いのかと問う 自分を否定しては瞳が中を泳ぐ 君の鼓動が刻む時を止められなかった私が 虚ろな世界の始まりを知る由もない君に伝えたかった事 君の空に青い風が吹いて 白い頬がゆっくりと赤く染まる すれ違ってきた私達が そっと振り返って抱き締め合った それは通り雨の様に 時さえ曖昧で切ない夢の始まり 時々君は寂しくなる...

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赤い口紅が上手く塗られた その実った躰が愛らしい 会えない日の電話こそ 淫靡を増して 君の頭に勘違いが増えてゆく ドアの鍵に手をかける前の 終わりのキスが 鮮明に君の香りを刻みつけた この血が君を求めてやまない 髪に 首に 胸に 鎖骨に 切なく甘く唾液を塗りたくった 君を愛するなんて出来なくて 欲して奪う事しか出来なくて 甘いタバコの煙を君に注いで 動けないようにベッドに縛り付けて キス...

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