Poetry
切望 茜空に染められて 伸びた影 焦がれる想いの様で 深い深い涙の誘惑を 愛おしく違えてゆく 君の沈黙が伝えた その隣りに居ない私を 君でないと埋まらない 私の空白は眠りに就いた 割れた鏡の欠片 君の笑顔を喜べない私に似て 君の羽根を抱き締めて泣いた 君は私ではない誰かを抱いているのだろう 哀しくなんてない 悔しくなんてない ただ愛おしいだけ その残り香が 部屋から薄れてゆく 私は次第に ...

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起きる 憂鬱が生活を埋めている 喫煙  刻を空気で区切ってゆく 生まれたての朝焼けを喰らい尽くす 光る ブランコの角 たちこめる霧が 喰らい尽くす 喰らい尽くす 爪先立ちで生きてゆく事の 愚かさや 辛さや 不器用さを 眠ったままの時計が 針を刺す 針を刺す ふとした邂逅の瞬間 開いてゆく刻を覚えたよ 恋の名に戸惑いを 愛の名に恥じらいを そうじゃないでしょ 至ってシンプル 君が生まれたそ...

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花が枯れた 鳥達は踊り狂う 踊り狂う 初雪が静かに濡らし始めた 心細さを埋めてゆく 埋めてゆく 幼さを指切りで紡いで 「おやすみ」を歌う君に胸騒ぎがした 街行く恋人達の傘の中 繋いだ手の温もりを懐かしく思った 夜明けの海辺に残した 共に生きるという証を 孤独の涙が洗い流そうとも 愛してると歌い続けるよ 時に痛みに打ちのめされても 愛してると歌い続けるよ 君の居ない部屋が言い訳を奪っても ...

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遠ざかる影も虚ろに 君の手をそっと 振り解いた 飛び交う言葉の刃が 首をかすめて手厚い抱擁を捧げる 受け取った杯に指先が凛と鳴った あれは晴れた日だったね 一寸先は鬼門 消えゆく声すら切ないのは 君の居た空気が今は寒いから 誰の隣りで笑ってるのかな 君の居る空気が優しく在りますように 星が緩やかに終わる刻 魂が揺り籠から解き放たれる刻 全ての失望が希望へと帰還する刻 神話は大地へと降り注...

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歌う声がまた 理由を失うとして 逢えない二人を 閉ざしては口ずさむ 秘めて眠ろう 湛えた想いが 胸に宿る傷跡を 一閃の安らぎを 埋めて微かに揺らぐ 潜めて眠ろう 歩みを止めたら 待っていてくれるだろうか 灯してゆこうか 貴女の残り香を皮膚につけて 冬が息を白く染める やがてくる春を彩る為に 理由を持つ花を夢見て 拭った涙すらも抱き締めてあげたい 生まれたての弱さを片手に 生きてゆく強さ...

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刹那に抱かれて心臓の言葉を謳う 震える肩を抱き締めて君の幼い涙を拭う 有限の刻に抱かれて土を舐める 笑い声よ高らかに、君は独りじゃないと叫ぶ 何を無くし、何を隠し 何を伝えて生きるのか 何を与え、何を奪い 何を携えて死ぬのか ポケットの底に眠っていた温もり 懐旧の夢幻、ブランコを揺らす 君の中に浮かぶ情炎、今解き放て 存在の意義を見つけられない少女 極彩をその眼に焼き付けろ いつか必ず謳える...

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淀んだ人ごみの中で 携えた答えだけを手に 君を、そう、君を見つけたよ 耐えて滲んだ街並みに 引き裂かれた劣情を無くす 絶えて掲げた勲章すら シャボン玉の様にはじけた 浮き世を嘲笑っては 孤独を噛み締めて泣く少女 何処へ行くのか 何を見るのか教えてくれ まほろばを目指して歩む 時間は無常を湛える 初雪が頬を濡らし 幾千の心の在処を数える あの星が空を飾る頃 君に似合う花を持って帰るよ そうし...

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