Poetry
タバコの煙に託してみたって それはあまりにも儚すぎる夢で グラスに注がれたお酒に託してみたって それは自分の躰に帰ってくる期待だった 大言壮語を吐いても 路上の歌で泣いてみたりもする 自分が誰かに触れることが その誰かを傷つける事になるって ずっと思っていたし 実際にそうだった でも誰かを救えた時もあったんだって 知らなかった 考えもしなかったし 望んではいたけれど 知らなかったんだ 誰かを傷...

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雨の日の君の部屋 プールの匂いが嫌いです 「頑張れ!頑張れ!」って言いながら水中に頭を押し込まれる 晴れの日の君の部屋 焦げた匂いが嫌いです 「記念だ!記念だ!」って言いながら煙草を腕に押し付けられる だからあたしは君の部屋に行かない だからあたしは外に出ない あたしの部屋は窓にシャッターを下ろして それはそれは静かな桃源郷だから 音も無い 光も無い 無味無臭の空気が 何よりも 何よりも 愚かな...

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ふと思うんだ 何も無いんじゃないかって 時間を覚えるのは あたしの仕事じゃないのに 欲しかったのは あたしなのに なんで手に入らないんだろう? ねぇ 教えて? 教えて・・教えてよ! 信号ばかり集めては ゴミばかり吐き出してる 表す記号を失った あたしの左腕は 泥ばかり掬ってる システムはプログラム通りに動くなんて 叫んでた自分が馬鹿みたい 退廃ギリギリ 世界はシーソーじゃないんだって そんなん...

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白と白の交わる世界 やがて黄昏れた紅月は こびりついた土埃と共に朝を貪った 船賃が無くなるまで 君が君を喰い散らかして 指先のフィラメントを 零し続ける 零し続ける 君は終わらない悪夢を現実だと思い 途切れ途切れの現実を妄想だと思ってた この星は広すぎて 届かない声に途方に暮れて 花を一本手折りながら呟いた 「これで終わりにしよう」 いつしか世界は声を忘れ 騒音で満ち溢れた シナリオは迷うこと...

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君は「迷ってしまった」と云った 右や左をキョロキョロ 時々服を確認しながら 後ろを向く度に首を傾げる 地面を強く踏みしめても何も分からない 雲の流れを暫く追ってみたけど何も分からない 誰も居ないのに困り顔 誰も居ないから困り顔 ねぇ・・君は迷ってるのかい? 迷ったよ なんでそう思うの? だって どうしたら良いのか分からないもの そうか、それは困ったね 困ったどころじゃないわよ 次はどうするんだ...

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月の光 波の音 草の香り それだけで酒は美味い 盃を傾ければ 影が応えてくれる 下を向けば 風が頬を撫でてくれる 世は諸行無常なれど 幾星霜を経ても変わらぬ盟への想いは夜に容を魅せる 妖が手を引いてヒラヒラ踊り狂う 世が果てたと思ったら 己の顔で沈黙に堕とす 緋い傘がクルクル回って その下にある ごくありふれた悲哀を精一杯隠す 願わくば星よ もう少しゆっくり回ってはくれまいか・・ 思わず口から...

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誰も居ないからと キミは云った キミは この世界には誰も居ないと云った 自分の存在すらも認めなかった 黒い沼のまっただ中で 静かに 静かに 漂っていながら それを心地良いとすら想っていた 知りたくない事ばかりを知って 他人の痛みだと言い聞かせながら 緋いものを流して笑ってる 夜風は 何も無いかのようにキミの躰をすり抜ける いっその事 風になってしまいたかったキミは 何度も 何度も 何度も何度も...

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