Poetry | 一人遊戯

この記事は一年以上前の記事です。

雨の日の君の部屋 プールの匂いが嫌いです
「頑張れ!頑張れ!」って言いながら水中に頭を押し込まれる
晴れの日の君の部屋 焦げた匂いが嫌いです
「記念だ!記念だ!」って言いながら煙草を腕に押し付けられる

だからあたしは君の部屋に行かない
だからあたしは外に出ない
あたしの部屋は窓にシャッターを下ろして それはそれは静かな桃源郷だから
音も無い 光も無い 無味無臭の空気が 何よりも 何よりも 愚かな安堵だから

あたしはゴミを食べてゴミを吐く
時計の秒針の音が足音に聞こえるんだ
カタチの在るものを失うよりも カタチの無いものを失うほうが
ずっと ずっと つらいけれど あたしはいつだって それを選んできた

朝の君の部屋 少しずつ上がる気温が嫌いです
「ほら!一緒に!」って言いながら冷えきった朝ご飯を頭からかけられる
夕方の君の部屋 空いた空間が嫌いです
「バイバイ!」って言いながら顔を逸らした瞬間 ホッとした表情が見える

だからあたしの部屋には時計が無い
だからあたしはグラサンと耳栓を持ち歩く
洗っても洗っても取れない汚ればかりで 腕も足も背中も首も 引っかき傷ばかり
色褪せて燃やしたお人形を ギュッと抱き締めて 今日も寝るの

何度壁に頭をぶつけても
何度切り刻んでも 何度薬を流しこんでも
止まらない鼓動が 止まらない呼吸が 煩わしくて
だから 何度も 何度も 君を傷つけた 君に期待して

ずっと ずっと 何度も 何度も

それなのに君といったら 笑っちゃう
あたしの部屋にいきなり入ってきて
おもむろに掃除して 洗濯して 料理して
「あったかいうちに食べなよ」って言って帰っていった

アハハ・・どうしろって言うのよ
君が炊いたホカホカのご飯 具沢山のお味噌汁 少し焦げたお魚
そもそも魚三匹買ってきたのに 一匹何処に行ったんだよ
部屋の中が焦げ臭いから 窓を開けるしか無いじゃない

そしたら君はノックもせずに 息を切らしながら
「ビール、買ってきたよ!」 なんて 頬にススをつけたままで 笑いながら言うんだ
分かったよ 分かった 降参だ 君には勝てない

だから・・あの・・その・・ね
もし・・もし・・良かったらで良いんだけど
嫌だったら断ってくれていいんだよ?
うん・・だから・・ね
一緒・・に・・ 一緒に食べ・・ませんか?

うっ・・
え? なんで殴るの? なんで座ってるの?
「馬鹿な事言ってないで早く座りなよ!冷めちゃうよ!」
・・やっぱり敵わないな・・ありがとう(ぼそっ)

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