好きな事で食っていくには?

この記事は一年以上前の記事です。

今日、友人から掲題の質問を受けた。
回答がてら久しぶりにブログ更新しておこう。

書いてみたら長文になりました。。


私は今、ITエンジニアとして働いています。

  • WEBサイト構築
  • WEBシステム構築
  • サーバーやデータベースの構築
  • WEBデザイン
  • WEB広告

言ってみればWEBの何でも屋です。
趣味も仕事もプログラミングなわけで、まさに好きな事をして食っているわけです。

先に言っておきますが、私のスキルなんてまだまだです。
独学で、専門の学校に通った事も無ければ、教材を購入した事もありません。
プロとして仕事をさせていただいていますが、より効率的に・より柔軟に・より受け入れられやすい、そんなものを作る為に日々精進し続けています。

あと、あくまで私みたいな未熟な個人の意見なので異論があったら教えてください。

これまでの経緯

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ざっくり説明します。
「おっさんの過去なんか知らんわ!」って人は飛ばして読んで下さい。

WEBとの出会い

大学生になった頃、携帯電話を手にして大学には自由に使えるPCが沢山あって、”インターネット”と出会いました。
当時はFLASHの最盛期。ガラケーも進化の真っただ中でした。
ウェブで色んなものを見て学ぶのが楽しくて、次第に携帯電話から自分の”ホームページ”を作るようになりました。
ホームページの管理者達はランキングサイト経由で他のサイトに訪れ、コメントを残したりしてやりとりをして、仲良くなればお互いにリンクを貼ったり、互いのランキングサイトに登録したりして、今の”インターネット”とは違う交流が沢山ありました。

生活の変化

大学を中退してヒモ生活 >> アルバイト >> 契約社員・・と所謂”社会人”として働いていくなかで、”インターネット”の潮流も大きく変わってきました。
ストリーミング動画サービスが始まり、SNSの台頭してきました。
”ホームページ”はいつしか触らなくなり、仕事に没頭していました。

心の病

話が前後しますが・・・
私は大学時代から心が疲れやすい性質で精神科に通っていましたが、地元を離れて数年病院に通わず、アルコールで紛らわしながら仕事をしていました。
途中でこれはマズいと感じて病院に通いだしたけれど、あまり真剣ではない医師だった為、薬をもらう為だけに通っている感じでした。

N医師との出会いとWEBとの再会

そうこうしているうちに状態が悪くなり、ついに仕事ができなくなりました。
震えながら退職し、布団をかぶって蹲り・・どうにもならなくなった時、この地で最も名のある病院に足を運びました。
そこでN医師と出会いました。信頼できる医師で、色んな話を聞いてくれました。

退職しているので時間がたっぷり余り、何かしようと思った時に”そうだ!ブログを書こう!”と思ったのです。
どうせ書くなら、自分の色んな部分を思いっきり表現できるようにしたいと思い、色々調べました。
アメブロやFC2などでスペースを借りるより、自分でサーバーを借りれば自前のブログを作れる事が分かり、そこからはただひたすらに”自分を表現する為だけに”サーバーとかブログシステムについて(HTML、CSS、CGIからPHPへと)勉強しました。
「勉強した」というより、目的を達する為に手段を身に着けた、という方が正しいですね。
途中でWordPressというプラットフォームと出会い、そこからデータベースなどの知識も少し身に着け、更にはブログデザインをもっとオリジナルなものにする為にCSSなどのデザイン技術も身に着けていきました。

この時点では、まさかこのWEBの世界で働くなんて微塵も考えていませんでした。
日曜大工で小さい犬小屋を作る感じに似ています。プロではないし、プロになるなんて考えていない。作りたいもの・必要なものがあって、それをただ作りたくて作った、それだけの話です。しかも専用のキットを買ってきて組み立てるレベルでした。

復職デイケアと、プログラミングとの出会い

通院して1年か1年半ほど経った頃、その医師が中心となって作る新しい復職専門のデイケアサービスに誘われました。
妻も居る身なので、何とか職に就きたいが難しい状態だったので、一つのチャンスだと思い参加する決意をしました。

デイケアでは決まった時間に通い、一定の拘束時間を過ごし、決まった時間に帰る。まずはここから。
CBT(認知行動療法)や作業療法で自分の問題を見つけ出したり、時にはみんなで体を動かしてみたり(私だけ毎回見学でしたがw)。日々を共に過ごす中で色んな人と触れ合い、次第に心がほぐれてきました。時にはやめたくなったりもしたけれど、このデイケアで頑張れないなら仕事に就いてお金を稼ぐなんてとても出来ないのが分かっていたから、周りの応援も受けて何とか続けました。
そのデイケアでは、開始と終了の時にその時の精神状態を数値化して、その数値を一人ずつ発表していたのですが、毎日デイケアでパソコンばかり触ってた私は、”その数値を記録しておけば治療に役立てるのではないか?”と考えました。
最初はただExcelに記録して、それをグラフにしただけのものでしたが、自分以外の人も更新できたら(時々さぼるので)いいなぁと思い、マウスだけで操作できるようにするにはどうすれば良いのかを調べ、VBAというものがあるそうなので、触ってみることにしました。

これがなかなかに刺激的だった。

その時作ったものは、

  • メンバーの追加・編集・削除ができる
  • メンバーごとに日々のデータを入力できる
  • 入力したデータを集計できる(出席率や気分の変動グラフ出力等)

といった機能のもので、入力や集計もキーボードを使わずマウスだけで行えるようにGUI(グラフィカルユーザインタフェース)を使ったものです。
データはExcelで、プリントアウトして診察に持っていく事ができました。

一からシステムを構築するなんて全くしたことの無かった私にとって、これを作るのは大変でしたが、調べつつ書いたコードが動き、完成品もみんなに使ってもらえるようになり、大きな達成感と充実感に満たされました。

書いたコードが動く感動に魅入られた

人それぞれ必要とするものは違う。だから自分が最良とするカタチのものはなかなか見つからない。見つからないから自分で作ってみた。
そこから始めて、それが人の役にも立ったのを目にした時、モノづくりの何たるかが分かった気がしたのです。

ローカルからWEBへ

そこから私はもっと色々作ってみる事にしました。今度は誰でも触れるようにWEB上で。
OpenPNEでSNSを運営したり、友人のブログを構築・デザインしたり、Twitter Botや掲示板なども作ってみた。

友人の案で、互いに漫画やアニメの何話まで把握しているのかを共有するシステムを作ったりもしました。後のMyArchiveです。
ここまで来ると先の日曜大工の時とは違い、木を切って鉄を溶かしてログハウスを作れるような具合になってきました。

転機

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デイケアには1年半しか参加できないという規定がありました。
私も復職を目指して求人情報誌をめくってみたりしたけれど、自分にできそうな事が見当たらずにいました。
そのデイケアの期限が迫ったある日、SNS経由で知り合った友人から「うちで仕事してみませんか?」という提案をいただきました。

驚きました。
自分の作るものでお金を貰うなんて全く考えていなかったのですが、リモートワークなので自宅で出来る、という事もあり、面談を受けることにしました。
とっても緊張したけれど、胸の奥が熱くなるような話が出来て、「挑戦してみたい!」と強く思いました。

そしてまずは一つWEBアプリを作る事から始まりました。

最初の収入

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最初に収入を得た時、これまで仕事で給料を得た時とは違う感情が沸き上がりました。
これまでの仕事で得た給料は「受け取って」きたものでしたが、初めて「獲得した」という感覚でした。

そこからはあれよあれよと言う間にWEBサイトの作成や変更の依頼をいただいたり、WEBシステム構築の依頼をいただいたり・・。
とにかく求められるままに、学びつつカタチにしてきました。
次から次へとアイデアをカタチにしようとするボスが居て、そのアイデアが面白そうと感じ、私も真剣に自分の出来る事をただひたすらに磨き続けました。
次第に収入も増え、関わるプロジェクトも増え、肩書もいただけるようになりました。

好きな事をして食っていけますか?

さて・・や~っと本題に戻ろうと思う。

Q. 好きな事をして食っていける?
A. 食う(生活する)目的だけだったら、手段なんていくらでもある。ましてや”生きていく”って目的なら、何だってありだろうと思います。
人を楽しませる仕事があれば、人を苦しませる仕事だってある。とにかく蹂躙し尽くす事で生計を立てる方法だってあります。
人と関わらない仕事もあるし、そもそも仕事なんてせずに生きていく方法だって山のようにあります。

Q. 好きな事をして食っていける?
A. 食いた(生活し)いの?好きな事をしたいの?

Q. 両方を同時にできますか?
A.
分かりません。
私は食っていく為に好きな事をしてきたわけではないですし、そもそも収入を得られるなんて思ってもいませんでした。

というかそもそも・・・
逆に質問してみますね。

何ひとつ難しい話はしていませんよ。

仕事って何ですか?

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生きていく為には、必要なものが沢山ありますね。
自分一人で家を建てたり、自分一人で牛を殺して羊を肉を捌いたり羊毛から服に加工したり、自分一人で真冬の暖をとったり・・そんなには出来ないから、人にしてもらう必要がありますね。
人にそれをしてもらうには、自分も何かしてあげればお互いに気持ち良くいられますね。でもその場ですぐにその人の求めるものを与えるなんて事態はそうそう無いから、お金という媒体を使うわけですよね。

自分が労働してお金を手に入れて、自分が何かを必要とする時にお金を差し出す・・事実上の時間軸ではそうですが、動機の順番は逆ですよね。
何かを欲するから、それを手に入れる際の代替として差し出せるもの(お金)を労働によって獲得するわけですよね。

お金という媒体を手に入れる為に労働をする、それが仕事です。
何でも良いんですよ。何かを必要としている場所でそれを差し出すのが仕事です。
笑いたい人に笑いを提供して代わりにお金を手に入れる。沢山計算する必要がある場所で計算を沢山して代わりにお金を手に入れる。魚を食べたい人に魚を渡して代わりにお金を手に入れる。セックスがしたい人とセックスをして代わりにお金を手に入れる。
ぜーんぶ仕事です。

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仕事とは”嫌な事をする事”ではないのです。
自分が出来る事を、誰かが欲している。=需要と供給がある。その時それが仕事となるだけです。

自分にそんな事できるか分からない?日常的にしてますよね。
「ティッシュ取って」 >> ティッシュ渡す。
「じゃあそっちの醤油取って」 >> 醤油をもらう。
お金は動いてなくても、それぞれ仕事をしたのです。
「仕事」なんてものは大げさに考える必要は無いんですよ。
やりたいかやりたくないか、好きか嫌いか、そういう事じゃなくて
自分に出来る事があって、それを必要とされているところや人にそれを提供する、そういう事なんです。
需要と供給、子どもの頃学校で先生が話してましたよね?それだけなんです。

好きな事をして食べていけますか?

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その好きな事を誰かが欲しているなら、その時それはお金にかえられます。それだけです。

私の経験や身の周りの人から学んだ事から言わせていただくと・・
どんなものでもその好きな事を思いっきりやっていれば、知識や技術は自ずと増えていきます。
そうして得た知識や技術が必要とされるところは世界のどこかにあるでしょう。その時それは仕事となり、生活の糧になり得ます。
今はインターネットを通じて世界の色んなところと繋がりやすい時代になりました。だからそんな必要とされる場所は見つけやすいでしょう。

ですが、何より大事なのは「まず、やってみましょう」という事です。
食べていけるのか。仕事になるのか。お金になるのか。そんな事を考えて、それを好きになったのではないですよね?(多分)
好きな事ならば、とことんやればいいじゃないですか。それが後に何になるのかなんて、やってみなきゃ分からない。
それに・・後に何になるかじゃなくて、単純にそれが好きなんだからやればいいじゃないですか。

私の好きな高橋歩さんの言葉にこんな言葉があります。
「大人が本気で遊べば、それが仕事になる」
「一時が万事」なんてことわざもありますね。
めいっぱい遊びましょうよ!

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“好きな事で食っていくには?” への3件のフィードバック

  1. ドドコ より:

    >どんなものでもその好きな事を思いっきりやっていれば、知識や技術は自ずと増えていきます。
    音楽っていう知識技術の有用性が曖昧な分野だけど、先日地元レーベルの代表さんから所属お誘いもらったよ。
    それとは別の話だけど6月には東京でライブの予定。来れたらおいでー

    CDとか興行収入で食っていけなくてもいい。逆に、これが続けられるなら食っていこうと思うよ。それって「好きなことをして食ってける」と何が違うんだろうってぼくは思いますよ!

    • Mitsuo Nakaya より:

      お~!順調だね^^
      6月かぁ・・6月末までがちょうど金銭的に苦しい時期なんだよぉ~
      君のライブ観たいなぁ~!まだ一回も観た事無いからさ。。

      音楽の知識だけでなくパフォーマンスや興行や交渉の知識・技術は他にも活かせる場所はあると思うよ。

      私も好きな事で稼げとは言っていなくて、そうしたいなら可能性はあるんだよって言ってて、確かにドドコさんの言う通りそれも好きなことをして食っていってる事にはなるよね。
      啓二君が6月に金沢来るかもしれなくて、その時は楽しむぜぃ♪

    • Mitsuo Nakaya より:

      あ、6月じゃなくて夏ぐらいって言ってた。

      んでもって秋ごろに私が広島行きます^^

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