Poetry
はにかみ方を覚えたのは いつの頃だっただろう 血の味の方を先に覚えたのは ボクの歪みだったのかな 憶える事よりも思い出す事ばかりに夢中だったあの頃 ボク達は違和感も無く 毎日を喰らい続けていたね 生きる事に違和感を持たず 寝食と 悦楽と 痛みに興じていた やがて其れがキミの指を砕き キミの朱がボクの黒を幾つかの色に分離させた 本当は囚われないで居て欲しかった 本当は知らないで居て欲しかった ボ...

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失う事も無く 覚えることも無く 緋と 黒と 壊れた少女を 貪り続ける 貪り続ける 誰も知らない場所で 誰も知らない二人は 誰も知らない事をした 貴女が私を刺して 私が貴女を堕とす 其処は目には見えない無限螺旋階段 例えば 私が貴女を愛していたら 貴女は私を知らないで居られたのかな・・? 無作為に選ばれた 其れを知っていたから 貴女は私を愛したんだね 切って 拭って 飲んで 呑んで 切って 好...

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自分の血の味を覚えてるかい? 失う事の何たるかを知らぬまま 得る事の何たるかを知らぬまま 薄気味の悪い笑顔を浮かべて長らえるだけの君の事を 君は何一つ知らないんだろう そうやって無為に”続く”事を君が望んでいるなんて 君は思っているのかい? ”続く”事だけを望むなら 其処に居なくても其れは叶う 君と君の邂逅が君の始まりだった だから君は渇くんだ そんな君を観て 何度殺意を覚えたか分かるかい?...

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私の恋はいつだって =悪癖() でしかなかったんだ 何処で出会ったかなんて覚えていない 君の苗字も知らない 君が私に送信した君の画像は いつだって私の眼なんて見ていなかった 私が私を壊したあの日から 私は人の綻びを目敏く見つけるようになり 見つけては近づいて どんな手を使っても壊してきた それが私の恋で 私の悪癖だった 君の肌を見て 鎖骨を見て どうやって濡らしてやろうか そんな事ばかりを...

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あれは容易く開いてしまった偶発の扉 針に糸を通すよりも正確に 熱したお皿に触れた手を離すよりも速く そのまま惹かれて そのまま繋がった 雨の中で凍えながら生い立ちを語り合ったね 初めて目を合わせた瞬間 初めて手を触れ合った瞬間 初めて聴いた 君の強い心音 アパートの屋上でビールを呑みながら 何度君に電話したことだろう スクランブル交差点でコロコロ変化する君の姿が いつまで経っても忘れられないん...

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思い出せないけど いつか読んだ本の一頁に 勝手に一頁を足して挟んだ 其れはいつの間にか 埃の中に沈めて 呪いの様に知らないふりをした それなのに君が あたしの挟んだ一頁を持って登場するもんだから きっとこれは夢 若しくはあらかじめ閉じられた幕の向こう側 それ以来 どうやって君を殺そうか とっても悩んだんだよ あたしが捨て置いたあの娘を 君が擁護する姿がとても痛々しくて あたしはつい君に権利を与...

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其れは崩れる寸前の青々とした虚城だった 一つ 二つ 夢を抱いては あと一つのところで崩される 賽の河原 断罪の矢は放たれた 君の指先から滴る緋に身震いがする程魅了された 三連符に禊 誘発された致死量の果実 無色に彩られた 顔の無い 目 鼻 耳 口 この壊れた腕でも良いのなら 君の四肢を思い切り抱き締めたい この壊れた心芯でも良いのなら 君の緋と共に堕ちてゆきたい 飼い慣らしたはずの あの声...

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