Poetry |開いた扉は閉じる

この記事は一年以上前の記事です。

あれは容易く開いてしまった偶発の扉
針に糸を通すよりも正確に
熱したお皿に触れた手を離すよりも速く
そのまま惹かれて そのまま繋がった

雨の中で凍えながら生い立ちを語り合ったね
初めて目を合わせた瞬間
初めて手を触れ合った瞬間
初めて聴いた 君の強い心音

アパートの屋上でビールを呑みながら
何度君に電話したことだろう
スクランブル交差点でコロコロ変化する君の姿が
いつまで経っても忘れられないんだ

何度も交わした体温よりも 何度も交わした言葉が耳をよぎる
後先よりも そこにある想いだけで良い そう思っていた
その瞬間 その瞬間だけは
大好きな本を捲るよりも何気なく
呼吸をする事よりも自然だったんだ

「容易く開いた扉は容易く閉じる」と知っていても 分かっていても
「君だけには答えを教えても・・」そう 思ってしまったから

でもね

あの時君に告げた嘘が嘘だったんだよ
君に嘘なんてついていない
だから君が僕に本当の事を云う必要も無いんだよ
そうしたら いつかきっと 君は答えがわかるだろう

其処が始まりで 其処が終わりだよ

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