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鳥は空を恐れないという 「飛び交う弾丸が見えないから」 果たしてそうだろうか? 実はその弾丸が見えていて、射手の元へと辿り着き、その肉を啄む為に飛んでるとしたら? 悟った顔をして人の過ちを自らの手柄に仕立て上げる手腕は見事だが その実、恐れを抱いて掴まれた腕を振り解いた瞬間に飛んだ刃が相手に当たっただけだとは思わないのか? 「だから言っただろう」「それ見たことか」 ありきたりの台...

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伏せたカードの裏を見たうえで見なかった事にしたいだなんて その気持ちは少しだけ分かる でも 「こんなつもりじゃなかった」なんて 誰を責めるつもり? 「明日なんて来なくていい」なんて 明日以外に何を望むの? 極上の孤独を噛みしめながら「寂しい」なんて呟いたって誰も聴いてないよ 次のカードを引くか否か 悩んでいたんだ 引かなければ負ける 引くと勝てるかもしれないし負けるかもしれ...

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一つの雫 昔から本を読むのが好きだった どんな本でも良かった 綴られた文字を読むというより 食べていたんだと思う どれだけ食べても空腹はおさまらなかった 文字じゃ足りないのかと思って映画を沢山観てみた 食べれば食べるほど空洞は広がっていって・・僕は我慢ができなかった だからといって空洞を小さくする方法を僕は知らなかった 二つ目の雫 家の洗面所から見える山々を眺めながら”上がったり下...

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着飾った肉の塊を厚さ0の線に閉じ込めたけれど 0の本質に誰一人気づかなかったから 野菜と香辛料が無駄になった 砂の山を作っては蟻を閉じ込めようとしたけど 蟻は何度でも這い出してきて それがイラついて今度は水をかけてみたけど やっぱり蟻は何事も無かったかのように歩いて行った すれ違う人全てに泥を投げつけてきた それ以外に届ける方法を知らなかったから 水面に映る高い空を落としたくて...

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歯車は止まらない だからズレた歯車は元に戻すより、いっその事一周分ズラす方が早い でも一周してきた歯車と元の歯車が一緒とは限らない 病に伏せ、天井を眺めた 住んでる場所の天井を眺めるなんて、一体何年ぶりだろう 木目の共通点を探しては重なる順番とか、板の厚さや木の大きさを想像したりしてたっけ そもそも歯車はズレたんじゃなくて、元に戻っただけだったりもする 視覚的に意識が縮小...

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https://www.flickr.com/photos/ms_photostream/16198696416 幼い頃からかなづちで 潜ることは出来ても 泳ぐことは何度練習しても出来なかった かといって水が嫌いなわけでもない 水の音をスマートフォンから流しながら寝た事だって何度もある 幼い頃は家の前の川で水遊びをするのが好きだった そういや何度も堰き止めようとしてたっけ ...

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キミの肩に哀しい木の葉が一枚落ちた それだけでキミは死ななきゃならない 水たまりが駆け足ごっこで濁った それだけでキミは死ななきゃならない そんな世界に愛想が尽きた そんな世界に溜め息が漏れた キミの声に擦れ吐息が混じった キミの歩幅が少し怖気づいた そんな世界に心が果てた そんな世界に木漏れ日がさした あぁ このぬくもりが キミに キミに 届くかな あぁ この肌の憐れみにも似た 挨拶代わ...

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