Poetry
ゆっくり ゆっくりと君に針を刺しました その穴から私の偏愛を注ぎ込みたくて 剥製になった君へ 慟哭と共に御手紙を書きました 決して振り向く事のなかった二人 それを真実と信じて疑わなかった 君の名前も 君の顔も 声すらも 知らなかったのに 愛しくて 愛おしくて 貴女の寵愛を待っておりました 貴女に刺した針はいつしか 巡り巡りて私を刺した 自らの偏愛に侵されて 貴女の事すら分からなくなりま...

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その正しさで匣を塗るのなら 沢山の祈りが集まるでしょう 私の憂鬱はいつの間にか 風に吹き消された 私の焦りもいつの間にか 海に吸い込まれた 二人 これから 歌い合えるだろうか 果ての無い祈りの歌 二人 いつまで 笑い合えるだろうか 虹色の薔薇のもとで 僕等の祈りは光だった 求める事のできない光 失い続けた光 匣が開いた刻 行く宛を思い出した 定めの彼方へ 全て 受け入れて 歌い合えるだ...

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蝉の鳴き声が静まる頃 ふと窓際から君の香りが 香った 赤色で部屋を染めたのは 君が好きな色だったから あの海が恋しいのは そこに君が居たから きっと君を思い出したのは 薬がきれたせいだと 人の寂しさが君に集まり 君は赤色に染め上がる 覚え立ての台詞で 君を幾ら飾っても 届かない  届かない きっと海が恋しいのは それが原風景なのだろう 人は怖れるものだと 不安ながらも語り続けた夜があ...

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君の唯一の正しさが 例え君を傷つけようとも・・・ 君の目が醒めない様に ネオンから隠していたよ 楽になれる事を詠っては 患ってゆく君を憂いた 寒気を感じたよ 此処が見えない眼に 其れが醜くとも 救いと成れるのなら 私は生きてゆくよ 其れが儚くとも 願いを為せるのなら 私は生きてゆくよ 闇が光を生み出し 光が闇を纏った 其れが真実だよ 君の痛みが誇れるなら そこが優しい楽園となる 歪...

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夕べ 翻した真実に 君が 綻び 揺れる 零れ落ちた素顔に 君の横顔が被さる いつも何かに怯え それでも笑ってくれる 背中合わせの夕暮れ お互いの本も読み終えて 『その時』が怖くて そこを離れずに居た二人 残酷なまでに私を曝してくれる 無垢で優しい笑顔を 守りたい 此処に居る私は 美しいでしょうか? いいえ きっと 君と居る私が一番可愛いんだ 君の手作りの優しさが いつだって私を満たしてく...

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どうやって生きてゆけばいい? いつかの君が問うた 打ちのめされて 倒れそうになったとしても 張り付けられた 楔のお陰で叶わないんだ 信じるモノを失って 腐敗した世界に生まれ堕ちた 例え寓話だとしても 柔らかな眼差しが不可能を告げる その答えはいずこにか 冬の終わりを告げる 鳥達の鳴き声が聴こえだす 私はここで独り 太陽すらも望めずに俯き続ける どんな終わりが そしてどんな始まりがあるの...

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毒舌直下の無防備のアナタ 嗚呼  ずっと一緒に居たかった  哀しませてばかりだった 嗚呼  ずっと触れて居たかった  苦しませてばかりだった 故の暴言でした アナタを失いたくなくて アナタを視界に閉じ込めておきたくて 嗚呼  アナタの手料理  アナタの香り  アナタの・・ 嗚呼  ずっと眺めて居たかった  ずっと温めて居たかった 故の別れでした アナタを失いたくなかった アタシだけ...

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