Poetry |剥製になった君へ

この記事は一年以上前の記事です。

ゆっくり
ゆっくりと君に針を刺しました
その穴から私の偏愛を注ぎ込みたくて

剥製になった君へ
慟哭と共に御手紙を書きました

決して振り向く事のなかった二人
それを真実と信じて疑わなかった

君の名前も
君の顔も 声すらも
知らなかったのに

愛しくて
愛おしくて
貴女の寵愛を待っておりました

貴女に刺した針はいつしか
巡り巡りて私を刺した

自らの偏愛に侵されて
貴女の事すら分からなくなりました

貴女の事ばかりしたためていた
決して読まれる事の無くなった
最期の御手紙

2009/08/25 Written by漣 風華

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