Poetry | 鬼の舞

この記事は一年以上前の記事です。

魍魎の在り処を見定める為の眼だったとして
その魍魎を取り払う為の腕だったとしたら・・
いや 解っていたことなんだ
そう その魍魎の行き先が私の中だということは誰にも知られてはならない
そう 知られてはならない

意味を忘れた者は 私の元へやって来て 意味を捨てて去ってゆく
その事象の本質を 私はどうやっても忘れることが出来ない 出来ない

捨てる為に投げつける言葉は 捨てられないことが解っているから 行き惑う
本質なんて単語を口に出来る程 キミは愚かじゃない 知ってる
生活なんて単語を口にするほど 私は強かじゃない ごめんね

カタチを拒むことは 線を引くことより容易くて
カタチを得ることは 線を認識することより厄介だ

そんな顔をしないでおくれ
私は嘘つきだから 嘘をつけない 嘘をつけないんだ
本当のことは二度と口にしないと
固く誓ったから 私の言葉を聞いてくれ 聞いてくれ

単純なものを口にしながら 私と眼を合わせた者は 複雑な顔で去ってゆく
その度に私は 顔を一つづつ忘れてゆく 忘れてゆく

掲げてきた目的は いつしか手段だったと気づいてしまって 立ち止まる
幸福なんて単語をこぼせる程 キミは怠慢じゃない だから不安なんだ
最後なんて単語を綴れる程 私は謙虚じゃない だから安堵するんだ

ベクトルを拒絶することは カタチを受け入れることより安易で
ベクトルを受け入れることは カタチを失うことより難儀だ

そんな眼で見ないでおくれ
私は欠陥品だから 境界を喰らう 魍魎を喰らう
深淵に自ら飛び込んで
誰も居ないことを確認して もがくフリをする フリをする

大義名分なんて無い
一つの命を数えてみただけ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください