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この記事は一年以上前の記事です。
幼い頃からかなづちで 潜ることは出来ても 泳ぐことは何度練習しても出来なかった
かといって水が嫌いなわけでもない
水の音をスマートフォンから流しながら寝た事だって何度もある
幼い頃は家の前の川で水遊びをするのが好きだった
そういや何度も堰き止めようとしてたっけ
時間は川の様で 泳げない私を流して溺れさせようとしてきた
必死で 必死であがいてもがいて 川辺で石を積み上げる人達が無表情でこっちを見ていた
怖かった 怖かったんだよ
つい最近川の近くに引っ越しをした
何年かぶりに散歩をしたんだ 川に向かって川沿いを歩いて
何度か散歩に出る度に川に近づきたくなって 川の水に触れられる場所をようやく見つけたんだ
大きな川の水は冷たくて そして強く流れていた
手をつけた途端に引きずり込まれるんじゃないかと瞬間焦る程に 芳醇な水が流れ続けていた
私はその強さに安堵した
「この流れに身を任せても良いな」って思ったんだ
寒空の下それをしちゃったら死んじゃうから 暫くして手を引っ込めたんだけどね
嬉しかった 嬉しかったんだ
しばらく前から時間はもう怖くなくなった
私は時の川の中にいて 岸に上がろうとも泳ごうともせずに ただ身を任せている
色んな事が変わっていくけれど それはどれも連続的で 最後は一所に辿り着く そして循環する
川の水に触れた時にそれを再確認できて嬉しかったんだ
最近娘に見せた屋久島の縄文杉
次にあの杉に逢う時にちゃんとお礼が言えるように
その時まで作り続ける 作り続けるよ
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