Poetry |掻きむしった隙間
この記事は一年以上前の記事です。
思い出せないけど いつか読んだ本の一頁に 勝手に一頁を足して挟んだ
其れはいつの間にか 埃の中に沈めて 呪いの様に知らないふりをした
それなのに君が あたしの挟んだ一頁を持って登場するもんだから
きっとこれは夢 若しくはあらかじめ閉じられた幕の向こう側
それ以来 どうやって君を殺そうか とっても悩んだんだよ
あたしが捨て置いたあの娘を
君が擁護する姿がとても痛々しくて
あたしはつい君に権利を与えてしまった
ほんの出来心 出来心にろくなオチが無いなんて 随分昔から知ってたのに
何でだろうね?
それから君と二人で溺れて 退廃を絵で描いたような舞台
時折聴こえてくるのは 蟻達のせわしない足音だけ
見える外光は 夕方の17:48に一瞬だけ差し込む陽光だけ
日々殺し合い 日々輪廻を巡り 日々出会う
そんな二人の閉じ続ける生命のベクトル
それでも 君が一年に一度見せる その寝顔
その為だけに その為だけに あたしは存在を継続する
これは雨水で描いた指輪に込めた あたししか知らない誓い
でも ごめんね
次はあたしの番
君が捨て置いたあの少年を あたしが殺しに行くの
そしたらあたしは 君から取り返した一頁を
そう また あの本に挟むんだ
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