Poetry |チェイン

この記事は一年以上前の記事です。

潤いの無い君の煙草を吸う指が
喝采の降り注ぐ頭上へと掲げられた
眩しそうに陽光を指で遮って
不意に思い出した様に
聴いたことのある昔の歌を歌い出したね

スコールに打たれながら
確かに君は笑っていた
路地に咲いた一輪の花の
終わりの話を君が教えてくれた

寒がりの君の白い肌が薄く汗ばんで
私の淡い期待は焔へと変わる
向こう岸の島の形はどんなだったか
海の色すらもどんなだったか
きっと私は思い出す事は無いのだろう

余興が過ぎて 肌寒さが心地良い

蒼き月より舞い降りた二つきりの魂
交錯する輪廻 不完全な灯火
其処へ浸透する速度で
二つは”同じ”を忘れた

空の青さが二人には怖かった
逃げ込んだ夜には必ず朝が来るなんて
乾いた笑顔が宙を舞った

そんな昔を忘れないで居よう
あれから幾つもの優しさを知って
幾つもの抱擁と笑顔を知って
繋いだ手が温かさで満ちる

あの樹が教えてくれたこの星の終わりの話
だから進むのだと
がむしゃらに ひたむきに 進めるのだと
今 手作りのコンパスが繋ぐ未来へ

2010/06/01 Written by漣 風華

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください