Poetry |大切な人達へ(手紙は照れくさい)

この記事は一年以上前の記事です。

馬鹿野郎な僕が「幸せなんて要らないさ」
そう言いながら涙ぐんだあの日を思い出したんだ

朝日を見ないように 僕等は逃げるように眠りに就いた
そんな夜明け
人ごみに紛れていれば まだ 安心できると
君の呟きが胸を刺した

流布する妄言の数々を 君は一つ一つ指で数えて
人の歴史を石ころで喩えたね
何故だか分からないけれど いきなり泣き出してしまった僕
君は何も言わなかったけど そっと手を繋いでくれたね

自分という一つを思う度に 情けなさがこみあげて
今更泣く事なんて無いけど
君と酔い潰れて 肩を抱いて笑う事ならできる
胸張って言う事じゃあないね

遠くの国の町並みに胸躍らせながら
夢にもならない夢を語り合ったね
布団にもぐりこんだ後で なんとなく
消えそうな思いを大切に 大切に 奥の方に仕舞ったんだ

「季節は淡々と進む」なんて詠っていたけど
全ての季節が僕の中に足跡を残していたんだね
そっと君は隣に立って 「行こうか」
いつも背中を押してくれたのは やっぱり君だったね

腕相撲の強かった親父
夜遅くまで台所に立っていたお袋
親父の髪が白くなってきたんだ
お袋が髪を少し染めていたんだ

沢山傷をつけて ごめん
寂しい想いばかりさせて ごめん
僕は僕で良かったよ
愛おしむ想う気持ちを覚えさせてくれて ありがとう

大切な人が沢山居ます 大切な人が生まれます
屁理屈の多い僕だけど 今は飾る言葉も思いつかないよ
今度うちに帰ったら 拳骨一発だけください
少しは手加減してね

愛してる なんて照れくさいから
少しの間だけ 手を繋ごう

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