Arrogance
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鳥は空を恐れないという
「飛び交う弾丸が見えないから」
果たしてそうだろうか?
実はその弾丸が見えていて、射手の元へと辿り着き、その肉を啄む為に飛んでるとしたら?
悟った顔をして人の過ちを自らの手柄に仕立て上げる手腕は見事だが
その実、恐れを抱いて掴まれた腕を振り解いた瞬間に飛んだ刃が相手に当たっただけだとは思わないのか?
「だから言っただろう」「それ見たことか」
ありきたりの台詞と共に吐く息は、ただの悪臭でしかない
見苦しいにも程がある
撃ち落とした鳥の肉を貪り食う姿は命の姿とも見えるが
自らの肉を喰らわれるなんて考えていないんだろう?
寂しさで縫い上げた衣が少し良く出来ていたから、賛美を浴びて浮かれているんだろう?
隠しきれるとでも思っているのか?
君が精一杯築いた城に其れの匂いが充満しているというのに
君はよく言うよな
「苦悩が足りない」「憂いが足りない」「欲望が足りない」
全部君に足りないものだ よく分かってるじゃないか
君の仕掛けた罠は大したものだ
あれじゃあ引っかかるのも無理はない
だけど、あれでは思慮の浅い質の悪い獲物しか捕まらないよ
そんなものが欲しくて竦む足を殴りつけて作ったのかい?
君には失望するな
希望なんて要らない
期待なんて要らない
今更悟るようじゃダメだな
僕の持つ盾は砂でできている 刃は僕に刺さるけれど相手の目も同時に潰れる
僕の持つ剣は水でできている 運がよければ相手に刺さるけれど それでなくても相手はそれを飲み干すしか選択肢は無いんだ
僕が纏う鎧は焔でできている 近づいた相手に相応の痛手を負わせられるけれど 僕の身もあと少しで滅びる
君が持つ剣は鋼でできていると思っているだろうけれど それはプラスチックだよ
ああ、その何とも言いようのない表情がたまらないよ
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