Poetry |逢い引き
この記事は一年以上前の記事です。
ねぇ静かに髪をといで
ゆっくりと口づけた
それだけの気紛れに
あたしは惚れたんだよ
貴方は誰かの男だって
知ってたわ
貴方の隣りは私じゃないって
知ってたの
駅で待ち合わせしたの
貴方との一つ一つの約束が
あたしの生きる希望だったの
ねぇ受話器の向こうの
静かな寝息に
うっとりと
聴き入っていたのよ、あたし
貴方が何処かに行くのが
怖かったわ
貴方が私を忘れるのが
怖かったの
貴方が作ってくれた
一度きりの手料理が
今は涙の味に思い出されます
金魚すくいの様に
取りこぼしたのは
何だったのかしら
最後はごめんなさい
あたしの気紛れで離れましょう
たった三日の貴方でした
2009/08/16 Written by漣 風華
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