Poetry |知らない歌
この記事は一年以上前の記事です。
黒い紙 一枚
そこに苦痛を書いてみた
黒い万年筆で沢山 沢山 書いてみた
白い紙 一枚
そこに欲しいものを書いてみた
あんまり無いけど、手に入らないものばかり
白い鉛筆で書いてみた
そんな事ばかり繰り返していた
すれ違いざまに君が落とした
楽譜を何度読んでも
何の曲だか分からない
返そうにも君の名前すら知らない
鎖と翼は二つで一つ
君が落とした楽譜を弾いてみた
奏でた旋律は見たことの無い色で
静かに周りを満たした
U字磁石で遊んでいた頃を思い出した
何もかもが不思議に満ちていて
あの頃から変わったのは
色んな事を知り尽くした事
あの頃から変わらないのは
川辺に咲く赤い好きな花
うん、教えてくれたんだね
僕はまだ歩ける
もう、紙に書く事は無い
君に伝えに行くよ
君が楽譜を落とした場所で
もし逢えたら「ありがとう」って言うつもりなんだ
2010/08/24 Written by漣 風華
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