Poetry |慈愛の狂想曲
この記事は一年以上前の記事です。
黒い空が白く傾き始める
移ろいゆく海の色に 時の不可逆性を思い知らされる
夢を見たよ 否 あれは幻だったかな
全てが灰になる世界を
等身大のキミが
ボクの視界から居なくなって 幾星霜
ボクの視界にはずっと 色彩を失った多次元空間が
ただただ映る
黒は自然界に存在しないなんて 誰かが言っていたよ
あれはきっと嘘なんだ
だってボクの世界には
ボク自身すら見えなくて 黒しかないのだから
曖昧な世界に安堵する
矛盾の世界に安堵する
キミからいつものメールがあって
お化粧も服も整えて
歌って踊って泣いて笑って
不意にキミが後ろから抱き締めて
その手をギュッと握って
「ありがとう」って一言だけ
何処に行ってしまったの?
ボクは顔の無い 何かに抱かれながら
黒い沼の底へと 深く深く沈んでゆくんだ
空の色なんて 遠く遠く忘れてしまったんだ
滴り落ちる”赤”の味を 一つ一つ確かめて
時計の針が刻む”刹那”を 一つ一つ覚えて
ボクの中にゆっくりと芽生えていった優しい”衝動”
全部・・・”全部”壊せる気がしたよ
ZeroとRealのBubblering
曖昧な世界に安堵した
矛盾の世界に安堵した
キミと
歌って踊って泣いて笑って・・・
2010/10/23 Written by漣 風華
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